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DoubleChooz 実験の概要

(内容を一部 updateしました 2007.12)

DoubleChooz実験の目的は、ニュートリノ混合角 θ13の有限値を求めることです。これはニュートリノの精密測定の時代への一歩になるものです。

ニュートリノ混合角 θ13に対する最も厳密な上限値は CHOOZ原子炉ニュートリノ実験により得られており、 sin213<0.2 が分かっています。DoubleChooz実験では3年間のデータ収集で、 sin213 を 0.2から、大幅に改善した 0.03~0.02の感度で探索することが出来ます。測定感度を CHOOZ実験から改善するためには、データ量の飛躍的増加、系統誤差を改善し1%以下にすること、バックグランドを深く理解することなどが必要です。そのために DoubleChooz実験では CHOOZ原子炉から300mと 1.05kmの 2箇所に、全く同じ構造の測定器を 1台ずつ設置し、この2つのデータを比較することによりニュートリノ振動によるニュートリノ数の減少を精密に測定します。

この原子炉近くに置かれる測定器は、原子力発電所の稼動状況のモニターにニュートリノが使えるかどうかを研究するためにも使用されます。

DoubleChooz 実験グループは現在、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、アメリカ、日本及びブラジルの研究機関からのメンバーで構成されています。

2004年に2通の趣意書が出され、実験はフランス政府により認められました。原子炉近くの実験室に関しては、現在 EDF 電力会社及び地元の関係者の協力によって議論されています。

本計画は2009年に 1台の測定器で実験を開始し、 2010年には 2台とも稼動させる予定です。計画通りに進めば、 1台の測定器で 1年間データを収集することで sin213 を 0.07まで探索でき、また、2台稼動後 3年間データを収集すれば 0.03~0.02の感度まで到達することができます。